金銭借用書の書き方


個人間の金銭借用書の書き方の注意点


プロの視点で借用書の書き方を簡単アドバイス!

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「金銭の授受」の日付についての金銭借用書の書き方


 
金銭消費貸借契約の場合、金銭の授受のあった日付は、原則として金銭消費貸借契約書に署名押印した日付と同日又は先でなければいけません。なぜなら、金銭消費貸借契約は要物契約ですので、まず先に金銭の授受がなければ原則として契約は成立しないからです(ただし例外的に要物性が緩和される場合あり)。

 ですから、金銭授受のあった日付は借用証書に署名押印した日付と
同日もしくは先になるように借用証書(金銭消費貸借契約書)の書き方に注意してください。


 
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「金銭の授受」の日付が不明の場合の金銭借用書の書き方


 だいぶ前に、すでに、金銭を貸してしまっている場合に作る借用書は
債務承認弁済契約書になります。

 
かなり前に貸した金銭なので、金銭授受の日付を忘れてしまった場合、無理に不正確な日付を記載しないでください。あとで、トラブルになる可能性があります。判明する範囲で、金銭授受の時期をできるだけ特定して記載すればよいでしょう。

 
何回かに分けて貸してしまった場合、金銭の授受があった日付を正確に覚えている場合には、それぞれの日付を記載してください。
 しかし、正確に覚えていない場合には、貸付けた始期と終期等を明らかにして、できるだけ期間等を特定し、いつのどの債務を承認し弁済するのかが解るようになっていればよいでしょう。


 何度も貸し借りを繰り返している相手との間で借用書を作る場合、いつの借金の借用書なのかを明らかにする必要があります。その辺を明確にしていない金銭借用書を作ってしまうと、「あの時借りた分は、もう返したはずだ」等、後々大きなトラブルになる可能性があります。それぞれの状況により借用書の書き方も違ってきます。市販の書式集は、簡単な事案を想定して必要最小限に作られているものが多いので注意が必要です。


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貸付けてから長期間が経過している場合の金銭借用書の書き方


 一般民事の金銭債権の場合弁済期から10年で消滅時効にかかります(民法167条1項)。弁済期を定めなかった場合には、債権成立から相当期間経過後を起算点として10年で消滅時効にかかります(ちなみに、商事債権の場合は5年、売掛債権等は2年で消滅時効にかかります)。
 
 ですので、消滅時効が気になるくらいの長期間が経過している債権の場合、借用書を作る際に「債務の承認」の条項の中で、時効中断の事実を、記載しておくと後々のトラブル解消になるでしょう。

 例えば、期間の途中で一部弁済があった事実などがあれば、それを記載しておくと良いでしょう。なぜなら、一部弁済の事実は「債務の承認」(民法147条3号)として時効中断事由になるからです。


 なお、時効完成後の「債務の承認」であっても、承認後は債務者は信義則上(民法1条2項)、時効を援用できないとするのが判例です。
 ですから、すでに時効期間が経過していたとしても、債務者に正式な借用書(債務承認弁済契約書)を作ってもらえれば、時効完成後の「債務の承認」として債権は時効消滅しませんので、諦めずに借用書を作ってもらうことが重要です。



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「金額」欄についての金銭借用書の書き方


 金額の書き方については、変造を防ぐため漢数字を使った書き方にしても良いでしょう。

 例)  壱 弐 参 四 五 六 七 八 九 拾 百 千 萬

 例えば、1,500,000円の場合は、「金壱百五拾萬円」と記載します。百の前に壱をつけることも忘れないよう書き方に注意してください。

 もし、アラビア数字を使う場合には、「金○○,○○○円」というように、金と数字の間を空けずに詰めて記載し、最後の円も詰めて記載して下さい。3ケタごとにコンマを打つのも忘れないでください。


 
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分割払いの「弁済日」についての金銭借用書の書き方


 弁済日の書き方について、「毎月25日」などにしてもよいのですが、その日が日曜、祝日であることも考慮して、ある程度幅を持たせる意味で、「毎月末日限り」等というような書き方にすると良いでしょう。


 
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利息についての金銭借用書の書き方


 利息を取る場合は、利息を取る旨を定めないと利息を取ることはできません、利息を取る場合は利率まで定めってきちんと借用書に記載しましょう。ただし、利率は利息制限法の上限を守ってください。

 端数や誤差は最終月で調整するような規定を盛り込むとよいでしょう。

 分割払いで期限の利益喪失条項がついている場合には、利息を率ではなく固定額にしてしまうと、利息制限法に抵触する可能性があるので気を付けてください。

 例えば、分割で3年で返す約束で100万円を貸して利息は10万円とすると固定額で規定してしまうとまずいです。なぜなら、1か月で支払が滞って期限の利益を失った場合、1か月で全額の支払い期限が到来し、1か月で利息が10万円という利息制限法に違反する結果を招くからです。
 当事者の温情で、利息は10万円を限度にしたいなどの事情がある場合には、例えば、利息は年○%といった率で定めた上で、但書で10万円を超える場合には、10万円を超える部分を免除する等の書き方にしておくことをお勧めします。




遅延賠償についての金銭借用書の書き方


 遅延賠償については、記載がなくとも法定利率(年5%)で賠償請求ができますが(民法419条)、これについても一種のペナルティとして借用書に記載しておいた方が良いでしょう。法定利率より多い率を定めるのであれば必ず利率を借用書に記載しておきましょう。ただし、これにも法律上上限がありますので注意してください。


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「元利均等払い」と「元金均等 利息後払い」の違いについて


元利均等払い」とは利息を含めて、毎月均等に一定額を支払う支払方法です。毎月の支払額は一定ですが、しかし、その内訳である元金充当分と利息充当分は毎月違ってきます。

 これに対し、「
元金均等 利息後払い」とは、毎月均等に一定額を元金にのみ充当し、利息は元金完済後に利息合計額を分割して(又は一括で)支払う支払方法です。

 どちらも、毎月一定額を支払うという点では共通です(端数は最終月で調整するのが簡便です)。
 しかし、途中で支払が滞った場合、残元金の額がいくらになっているかの計算は、「
元利均等払い」の場合は、端数が出て解りずらい額になります。なぜなら、元本と利息の充当額の内訳が毎月異なるからです。
 これに対し、「
元金均等 利息後払い」の場合は、元金充当額が毎月一定のため、途中で支払が滞っても残元金の計算が解りやすく明瞭です。

 ただし、最終的にもらえる利息の合計額については、「
元利均等払い」の方が、「元金均等 利息後払い」の場合よりも若干多くもらえます。なぜなら、「元金均等 利息後払い」の場合は、まずは元金をどんどん減らしていくことになるため発生する利息額も「元利均等払い」に比べ若干少なくなるからです。

 以上を簡単に言えば、1、最終的にもらえる利息の合計額の多さを重視するか、2、それとも途中で支払が滞った場合の残元金の計算等が簡単明瞭である点を重視するかで、利息の支払方法を決めればよいと思います。


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支払場所(方法)についての金銭借用書の書き方


 支払場所(方法)としては、債務者の住所に持参するという方法や、債務者の指定する口座に振り込んで支払うという方法等があります。

 後々、「あの月の分はもう払ったはずだ」等の事実関係のトラブルを防ぐためには、債務者の指定する口座に振込んで支払うようにした方が良いでしょう。指定口座への振込みだと振込の事実があれば記帳されるので、そのような事実関係のトラブルを防ぐことができます。

 市販の書式集の中には、支払方法の記載を省略しているものもあるので借用書の書き方にはご注意ください。
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期限の利益喪失約款についての金銭借用書の書き方


 借用書には借主の状況に応じた適切な期限の利益喪失約款を盛り込んで置くことも忘れないようにしてください。これは一種のペナルティです。それぞれの状況に応じた適切な期限の利益喪失約款を記載してください。


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管轄の合意


 第一審の裁判所は、管轄の合意がない場合、原則として被告の住所地の管轄裁判所が第一審裁判所になります(民事訴訟法4条1項)。

 被告が遠方に住んでる場合や、引っ越しすることも考えられるので、あらかじめ合意管轄で、第一審の裁判所を債権者(貸主)の住所地を管轄する裁判所とする条項を盛り込んでおいても良いでしょう。

 なお、管轄の合意は第一審に限られます。


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清算条項はあえて記載しない


 清算条項とは、簡単に言えば、本契約書記載の債権・債務以外には、一切の債権・債務関係が存在しないことを確認する条項です。

 
貸主の側の立場からすれば、清算条項はあえて記載しない方が良いでしょう。

 貸主の立場からすると、先々、諸々の新たな債権が発生する可能性もありますので、このような清算条項を入れるとそれを盾に、「契約書記載以外の債務は一切存在しないと書いてあるじゃないか」等と債務者から不合理な主張をされる可能性もあるからです。

 市販の書式や書き方集の中には、このような清算条項が入っているものもあるので借用書の書き方にはご注意ください。



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借用書元本を何通作るか


 慎重を期す場合、紛失等に備えて原本を2通作成して、貸主・借主それぞれが各1通を保持します(借用書の中で連帯保証契約をしている場合には保証人の分も必要)。また、原本をお互いが所持することで、契約したことに対する心理的プレッシャーも高まるといえます。

 ただし、借用書の原本にはその額に応じて収入印紙を貼付しなければなりません。印紙代を節約するために原本を1通にして、原本を貸主が保持し、借主にはコピーを渡すという方法もあります。収入印紙は原本にだけ貼れば良いので、原本を1通にすれば印紙代が節約できます。

 いずれにしろ、原本を何通作成し、誰が原本を所持するかは、借用書の結語できちんと記載する必要があるので書き方にご注意ください。


 なお、収入印紙の貼付と契約書の効力とは無関係です。印紙添付はあくまで税法上の要求です。


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印鑑


 借用書に使う印鑑は認印でも実印でも契約書の効力に影響はありませんが、実印を使う場合には住所の記載は印鑑証明書に記載されている住所と一致するように書き方にご注意ください。

 なお、公正証書にする場合、公証役場では実印が要求されますので実印と印鑑証明書をご用意ください。



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連帯保証人を付ける場合


 「ひとつの借用書」の中で、連帯保証契約も結ぶ場合には、その借用書には連帯保証人となる者の署名・押印も必要となりますので、ご注意ください。

 なお、連帯保証契約は、債権者と保証人との間の契約です。債務者は契約の当事者ではありません。


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   それぞれの状況に応じて、借用書の書き方は多種多様です。 

 借用書を作ること自体が目的ではありません!

     目的は、法的内容の整った借用書を作り、最終的にお金を返してもらうことです。

一人で悩まないでください。

借用書の作成は、当事務所にご相談ください。

 当事務所では、メールを使って依頼者様と綿密な相談をし、
その上で、それぞれの状況に即した借用書を作成いたします。

   また、完成した借用書の各条項を解説した冊子や、支払が滞った場合に
     採りうる法的手段について説明した冊子等もサービスで添付致しております。

借用書は、後々証拠となる大事な契約書です。
後悔しないように、十分に内容の整ったものにしてください。

    お金を返してもらうという最終目的達成のための一助になれれば幸いです。




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2012.5.21


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